日本色彩学会誌
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クレヨンの混同色解析─幼児のクレヨンの色使いから色覚異常に気づくために
桂 重仁須長 正治
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2017 年 41 巻 5 号 p. 189-200

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抄録

色彩や色名はコミュニケーションの情報として日常的に使用されている.しかし,色覚異常を持つ幼児は,色覚という概念が理解できないため,困惑すると思われる.そのような幼児に対し,まず,家族や保育士が色覚異常に気づき,そして,対処することが望まれる.そこで,本研究では,幼児の色覚異常に気づくために,色覚異常特有のクレヨンの色使い,すなわち,混同して使われることがある色に着目し,色彩科学的見地から市販されているクレヨンの混同色の解析を行った.さらに,2色覚のクレヨンの混同のしやすさに対し,“混同色対指数”という新たな指標を導入し,クレヨンの混同色のランク付けを行った.そして,幼児のクレヨンの色使いにて混同色対指数0.6以上のクレヨンの混同が色覚異常の可能性を示すひとつの目安となることを論じた.

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© 2017 一般社団法人 日本色彩学会
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