日本色彩学会誌
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日本色彩学会平成30年度研究会大会色彩科学系5研究会 合同研究発表会
曲線変調条件が水彩効果の強さに及ぼす影響 
竹尾 和孝田代 知範井澤 尚子山内 泰樹
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2018 年 42 巻 6+ 号 p. 66-

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抄録

  水彩効果(watercolor effect:以下WCEと称する)は,2001年にPinna, Brelstaff&Spillmanによって報告された新しい同化現象である.一般的に内側-外側に有彩色2色の対を用いて図柄の輪郭を描くことにより,内側の囲まれた領域に内側の色が水彩画のように滲んで感じられる拡散効果と,図と地の成立を決定する2つの特徴がある.同化現象の強弱には輪郭線や色の条件が数多く報告されている一方で,条件の一つに輪郭線を曲線にするとWCEは強くなるという事例があるが,原因や,曲線を変調することによってWCEの強さは変化するのか,メカニズムは明らかにされていない.今回は,輪郭曲線の周波数と振幅をパラメータとし,変調によるWCEの強さの変化の評価と傾向を調査することを目的として,各パラメータの刺激画像を5枚ずつ作成し,一対比較法を用いて実験を行った.

 その結果,各場合でWCEにピークが存在し,ピークに達すると低下する傾向が見られた.また,色の組み合わせで傾向に差があり,WCEが強く感じられる色の組み合わせ時ではパラメータの変調を行うも,大きな変化が生じないことが示唆された.

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© 2018 一般社団法人 日本色彩学会
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