庭園で使われる意匠材料である砂利(白・赤・灰)を対象として,湿潤状態から乾いていく際(乾燥過程)の色彩及び光沢変化を,デジタルカメラを用いて非接触で測色した.水から引き上げて1分以内,その後は引き上げた時刻を起点として5分ごとに測色を行い,60分以降は10分ごとに90分まで,さらに120分に測色した.実験は室温23±1 ℃,相対湿度 50±5 % で制御された人工気候室内で行い,無風状態で乾燥させた.その結果,白砂利の色は80分以降で小さな変化が見られ,赤砂利と灰砂利の色は,水から引き上げ直後から30分後まで大きく変化し,70分以降に再び変化が現れた.赤や灰など明度が低い砂利は,表面近傍での拡散反射が抑制され明度がさらに低下するが,白など明度が高いものは,内部に入り込んだ光が吸収される割合が小さいため,濡れによる影響が出にくいことがわかった.これらのことは,景観の観点からの材料設計・選択に役立つ知見である.