2023 年 35 巻 p. 79-92
本研究は,「日経SDGs経営調査」を利用し,サステナビリティ先進製造企業54社の統合報告書,サステナビリティ報告書,有価証券報告書を対象に,サステナビリティ配慮型研究開発の開示実態を明らかにした上で,大日本印刷と積水化学工業の先端事例の考察を通じて,サステナビリティ配慮型研究開発情報開示のあり方を提示した。定量情報であるサステナビリティ配慮型研究開発費額の情報は,自社の価値創造能力をアピールするために統合報告書の中で定性情報と紐づけて開示する余地がある。さらに追加的な情報として,研究開発費の結果としてのサステナビリティ配慮型製品・サービスの定性情報,それらの売上高などの定量情報や,各部門別のサステナビリティ配慮型研究開発費額の情報を開示する余地がある。