新潟県の農村地帯では, 人手不足, 生産調整, 米の商品化などの諸問題の中で, 稲作農家は経営の近代化を迫られ, 近年大きな変化をたどっている。県では良質米の大型供給基地を形成するため, 昭和45年から, 新潟米生産推進運動を県ぐるみで展開している。運動は, 地域別農業生産の長期見通しの方向にそって, 米の生産性と商品性を併行的に, 効果的に向上しようとするものである。生産技術対策の当面(昭和47〜49年)の到達目標としては, 10a当り収量, 労働時間, 上位等級米比率等が設定されている。この間, 農業をとりまく情勢の変化が大きい中にあって, 苦しい中から, 農家の努力によって生産と品質改善にかなりの変化がみられたように感じられるので, ここに小情報を提供する。