日本作物学会北陸支部会報
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機械移植栽培における苗の大きさと稲の生育の差異
種田 貞義
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1973 年 7 巻 p. 16-18

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抄録

1.現在の育苗方法では育苗日数をかなり長くしても4葉以上の均一な苗を育苗することは困難であると考えられる。2.茎数, 乾物重等の生育経過を見ると4葉苗は2葉苗に比較して初期の生育が劣り, 且つ恢復せず最高分けつ期以降まで持続される。3.分けつ発生の差異は2葉苗はII節位から発生しIII〜VII節位まで安定して発生するが4葉苗は下位分けつがほとんど夭折し安定して発生のはIV〜VII節位の上位分けつである。更に4葉苗は2次分けつの発生も少ない。これが2葉苗より茎数が少い原因となっている。4.4葉苗の登熟歩合の低下は2次梗着粒頴花の登熟不良がその原因となっている。以上の結果から4葉苗は2葉苗に比較し作物学的見知からの利点は見い出す事ができなかった。今後の問題として2葉苗に比較して茎数が抑制されると云う点から, 肥沃条件下での過繁茂防止効果, および作期幅の限界について検討が必要である。

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© 1973 北陸作物・育種学会
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