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東アフリカの疎開林帯では古くから焼畑がおこなわれていて, そこでは特異的にシコクビエが栽培されている。シコクビエは焼畑を造成した初年度の環境で良く生育するため, その栽培を目的として森林が切り開かれることも少なくない。そのため, シコクビエ生産は熱帯林消失の元凶とまで言われるようになってきている。"シコクビエが焼畑環境を好む"という認識は, 日本を含む広い地域で一致しており, それは焼畑がつくり出す特殊な土壌環境とシコクビエの養分要求特性に起因すると考えられる。本研究では, 焼畑とシコクビエの関係を解明し, 焼畑に替わるシコクビエ栽培技術を創出することを最終的な目的としている。実験では, 焼畑における灰の添加がもたらす土壌の化学的変化に着目し, シコクビエの養分吸収特性について検討を行った。