抄録
湿田率の高い千葉県では, 水田における大豆や小麦の低コスト生産を図るため, 区画面積の拡大と合わせて, 暗渠施工による地下水位の低下対策が進められている. 従来型暗渠は, 間隔が10m, 埋設深が70〜90cmで施工されており, 暗渠と暗渠の中間部において湿害とみられる生育不良が発生したり, 耕盤層がち密化する傾向が認められている. そこで, 従来型暗渠に比べて作業工程数が少なく, 低コストで高密度に施工できる浅層暗渠(間隔5m, 埋設深50cm)の施工並びに耕盤の破砕が, 作物の生育, 収量の向上に及ぼす効果を明らかにしたので報告する.