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放射線緩照射(屋外)によるチャの突然変異体誘発では、生じた変異体の保護と選抜のために、自然仕立て栽培(枝条を極力切除しないチャの栽培方法)を行っている。この場合、樹体同士の放射線の遮蔽等のため、透過力の強いγ線であっても放射線吸収線量は採取位置により複雑に異なることが考えられる。これらの変動傾向を把握することが、突然変異育種を計画的に行う上で必要である。また、採取位置によって日射量が異なり、成分含有量にも影響が及ぶことが予想され、成分変異体を選抜する際には、この点を十分考慮する必要がある。これらについて、実態を明らかとしたので報告する。