抄録
これまでに葉たばこの外観性状との関連で葉肉断面構造をSEMにより観察し、極めて多種多様な状況にあるものの、葉肉内に残存している物質の多少や分布状態によりある程度まで分類、整理できるとした。こうした葉肉内残存物質の多くは収穫後に実施されるcuring(強制後熟、乾燥)処理中において、葉肉内に貯蔵されている高分子化合物が低分子化合物に変化し、これが葉中の液状水分に伴って移動し、分散または集積したものと考えられているが、今回、バーレー種タバコ(バーレー21)のcuring終了葉を供試し、葉肉内残存物質の性質、組成などについて検討を加えた。その結果、若干の知見を得たので報告する。