抄録
今日の水稲栽培において、農薬の施用が水稲の生育、収量ならびに水田の生態系に及ぼす影響は必ずしも十分に評価されてはいない。本学附属農場の水田では農薬が雑草、病害虫の管理及び水稲の生育、収量に及ぼす影響を明らかにするため、1990年以降無農薬の試験区を設けて水稲の栽培を行っている。1990年には、雑草、トンボ類の大発生等、水田生態系に大きな変化がみられたが、水管理を深めにしてイネ科雑草の発生を抑えれば、収量の低下割合は小さいことを推察した。そこで、1991年は慣行・無農薬区(+P・-P区)に加え栽植密度を25.8、17.3株/m^2の2段階(密植区D、疎植区S)で栽培を行い、水稲の生育・収量、雑草・病害虫の発生状況、及び田面水中の動物相の推移を調査した。