Journal of Clinical Simulation Research
Online ISSN : 2433-054X
原著
歯科診療危機対応コースDCLSの開発と初期経緯
奥寺 敬若杉 雅浩橋本 真由美 今村 知代坂元 美重
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ジャーナル オープンアクセス

2017 年 7 巻 p. 40-43

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抄録
 日本では医師法と歯科医師法は別個の法律であり,歯科医師の診療は歯科医師法に基づく。このため,救急医療やプライマリケアなど卒後初期臨床研修における患者の初期対応のレベルにおいても研修カリキュラムは明確に区別される。
 そこで,我々は,歯科医師の就急蘇生研修のための研修法として,歯科診療危機対応コースを策定した。本研修の英語名称は,厚生労働省の指摘により循環器cardiovascularは厳密な意味で診療範囲ではないので危機的状況を指すcrisis用いて,Dental Crisis Life Support DCLSとした。研修内容は,気道管理,循環補助,心肺蘇生,薬物投与,AEDなど,医科の救急蘇生研修と同等であるが,厚生労働省の歯科救急診療の指針を遵守したものとなっている。
 DCLSは2007年に完成し,国内で研修コースとして展開しており,国際学会でも発表している。本稿では2011年までを初期展開と位置付け,その概要も述べる。
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© 2017 日本災害医療教育研修協会
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