抄録
高齢化に伴って、多くの交通社会参加者は何らかの疾病に罹患している。外来患者、救急患者、事故死者のそれぞれにおいて、自動車運転中に体調変化が生じる実態を明らかにした。そして、その多くが事故につながることがわかった。各医療現場において、運転中の体調変化を予防する取り組みを行い、工学的見地からも事故の予防策を検討した。また、事故の社会的背景、運転者に課せられる社会的責任を整理し、社会全体として取り組まなければならない事項について具体的に明らかにした。運転中の体調変化による事故を予防するには、運転者個人の意識・行動変容だけでなく、社会としての対応も必要であると考えられた。そこで、安全な交通社会の実現に向けた提言をまとめた。