信州における地域資源の共有化・発信を通じて,地域住民の学びや地域創生につなげる方策を議論する枠組として,2016年に発足した「信州 知の連携フォーラム」は,二つの特徴を持つ。一つ目は,2008年に始まったデジタルアーカイブ推進事業「信州デジくら」の反省を踏まえ,「持続性の確保への強い志向を当初から持つ」ことである。二つ目は,いわゆるMLA(Museum, Library, Archives)に加え,研究者による情報利用や地域への人材供給という,「大学教育・研究の視点を内包している」ことである。本稿では,これまでの取組を紹介し,今後に向けた方向性や課題,大学図書館がMLA連携に携わる意義について考察する。