大学図書館研究
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小特集:図書館の統計
東京大学総合図書館における入館・貸出統計データ分析の試み -中央図書館としての役割を考えるために
星野 雅英渡邉 真由美風巻 利夫原 香寿子
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ジャーナル オープンアクセス

2008 年 82 巻 p. 1-11

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抄録

東京大学総合図書館における入館や貸出の年次統計・データを利用して行った様々な分析のうち,日々の業務や経営的なアピールに利用できそうな例をいくつか紹介する。この分析例から,1) 学生一人あたりの入館回数,貸出冊数が年々増え,特に大学院生に顕著であること,2) 専攻する主題分野と貸出の主題分野が密接な関係にあること,3) 蔵書回転率が半減する年数によって,総合図書館の開架和図書を,少し短い3類,やや長い1,2,9類,中間的な4,5類にグループ分けできることを見出すことができた。この結果のうち,従来は学部図書館の利用の方が多いと思われてきた大学院生の総合図書館における利用が激増していることは,学部図書館と,中央図書館である総合図書館の役割に変化が生じている現れであると考えられる。

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2008 (c) 大学図書館研究編集委員会
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