抄録
【目的】認知症介護指導者(以下、指導者)が認知症の行動・心理症状(BPSD)という用語をどのように解釈しているかを明らかにする。【方法】指導者117人に対して、135種類の認知症による症状について、BPSD・中核症状・生活障害・判別できない、の4選択肢を設け、どれにあたるか単数回答により判断を求めた。回答結果から、選択肢の選択率が25%以上の症状を抽出し、選択率や重複数を症状別に確認した。また、国際老年精神医学会によるBPSDの分類と合致する16種類の症状について、単純コレスポンデンス分析を行った。【結果】135種類の症状について、分析対象とした68人で分析した。選択率が25%以上の症状の重複を数えたところ、25%以上の選択率の選択肢に重複がない「理解のばらつきが小さい症状」が58種類、2種類の選択肢で25%以上の選択率となっている「理解にばらつきのある症状」が64種類、3種類で25%以上の選択率の選択肢のある「理解のばらつきの大きい症状」が13種類抽出された。単純コレスポンデンス分析の結果(イナーシャの寄与率による累積説明率は88.3%)、中核症状付近には、同じ話繰り返し、誤認などが付置された。また、BPSD付近には、性的逸脱、攻撃的行動、徘徊などが付置された。生活障害付近には、不眠、まつわりつきが付置された。【結論】主なBPSDは性質も含めて理解されているが、半数以上の症状で、解釈がばらついていた。BPSDの概念の正しい普及が望まれる。