認知症ケア研究誌
Online ISSN : 2433-4995
ISSN-L : 2433-4995
病院における認知症ケアのアウトカム評価票の実用性の検討
内田 陽子 岩崎 彩華小山 晶子清水 みどり川端 裕美髙橋 陽子
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ジャーナル オープンアクセス

2018 年 2 巻 p. 126-132

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抄録
【目的】病院における認知症ケアのアウトカム評価票の実用性について検討する。【方法】対象者は、A病院に入院している認知症高齢者の日常生活自立度判定基準ランクⅢ以上の者とした。調査は、介入初日と最終日の2時点で認知症ケアのアウトカム評価票20項目のアセスメント番号を選択し、2時点の値を比較することでアウトカム判定を行った。介入期間中に実施したアウトカムを高めるケアの欄にはチェックをつけた。さらに、介入初日と最終日の2時点でNPI-NH評価も行った。【結果】対象者は、23名であった。認知症ケアのアウトカム評価票による評価は、対象者全員に実施可能であった。アウトカム判定の結果、20項目中11項目で改善が見られ、BPSDに直接影響する【Ⅰ.認知症症状・精神安定】の3項目では、80%以上の対象者が改善の判定であった。介入期間中に実施したアウトカムを高めるケアは、20項目中15項目で実施率が50%を超えた。NPI-NH得点は、初日と最終日を比べると有意な改善がみられた(p<0.05)。【結論】認知症ケアのアウトカム評価票の病院での適応は可能であると判断された。
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