認知症ケア研究誌
Online ISSN : 2433-4995
ISSN-L : 2433-4995
認知症高齢者のBPSD軽減に向けて睡眠センサーを用いた睡眠リズムの評価
小池 彩乃 大嶋 玲子田中 志子内田 陽子
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ジャーナル オープンアクセス

2019 年 3 巻 p. 65-72

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抄録
本研究の目的は、老人看護専門看護師実習で受けもちをしたBPSDをもつ認知症高齢者1事例に対して、睡眠センサーを用いて睡眠リズムを可視化させ、BPSD軽減につながるケアを実践し、その評価を行うことである。 A氏は、毎日深夜2時に行われる夜間の排泄ケアにより中途覚醒し、BPSDが悪化していた。そのため、①睡眠センサー(TANITA Sleep Scan®)を使用し、7日間の睡眠状況を可視化させ睡眠パターンを把握した ②中途覚醒が多い時間帯を目安にし、排泄ケアを行った。その結果、BPSDの症状軽減につながった。 深睡眠時の中途覚醒はBPSD悪化の要因となるため、睡眠パターンに基づいたケア提供が必要となる。特に認知症高齢者は、不快感や苦痛を言葉で伝えることが難しくなるため、睡眠センサー等を用いて客観的に睡眠状況をとらえ、より良い睡眠につながる眠りの評価を行うことが、BPSD軽減に重要である。
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© 2019 著者に帰属
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