2022 年 12 巻 2 号 p. 88-97
本研究は,CAD/CAMシステムを応用したハイブリットレジンブロックの切削加工によるインレー修復の臨床応用における基礎的な検討を目的とした.窩洞形態,鋭角部を削合した窩洞,レジンブロックの種類,さらにはマージン付近のアンダーカットがインレー体の適合性に与える影響を検討した.その結果,CAD/CAMインレーの適合性は,窩洞形態とセメントスペース値の影響を受けることが明らかとなり,またレジンブロックの違いによる差は認められなかった.CAD/CAMインレーの窩洞形成は,窩縁斜面を付与せず,窩壁を適宜に外開きにし,線角を丸めるような形態とし,適切なセメントスペースを設定することで,良好な適合性が得られることが示唆された.