本研究では,マルチスライスCT(以下CTとする)撮像データを用いて新生児,小児,成人頭蓋骨の前頭洞外形の三次元的観察および各ステージにおける右前頭洞・左前頭洞の有無,存在していた場合にはそれぞれの体積計測を行い比較・検討することで,前頭洞の発達について検索することを目的とした.試料として,東京歯科大学解剖学講座所蔵のインド人乾燥頭蓋骨(n=30)を用いた.歯の萌出状態により,無歯期,乳歯列期(Hellmanの歯齢ステージⅡA),永久歯列期(Hellmanの歯齢ステージⅣA)の3グループを設定した.CT撮像後に三次元立体構築を行い,左右前頭洞におけるそれぞれの体積計測を行い,それぞれのグループにおける平均値と標準偏差を算出した.無歯期,乳歯列期には,左右いずれか,あるいは両方に前頭洞が存在しないものがあった.永久歯列には両側性に前頭洞が存在したが,すべて左側前頭洞の容積が大きい結果となった.