日本歯科医学教育学会雑誌
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Print ISSN : 0914-5133
研究報告
研修歯科医に対する臨床研修における臨床教育効果についてのアンケート調査報告
中村 太長谷川 真奈佐藤 拓実都野 さやか野村 みずき長澤 伶藤井 規孝
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2024 年 40 巻 3 号 p. 135-143

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抄録

抄録 現在,シームレスな臨床教育の実現を目指してさまざまな制度改正などが進められている.そこで,歯学教育モデル・コア・カリキュラムの到達目標を参考に,新潟大学医歯学総合病院歯科医師研修プログラムを通じて研修歯科医が身につけた臨床能力を確認することを目的としてアンケート調査を実施した.

 令和3~5年度の当院研修歯科医103名に対して,臨床研修終了直前にGoogle FormsにてWebアンケートを行った.歯学教育モデル・コア・カリキュラムを参考に主だった処置を抽出し,臨床実習終了時と臨床研修修了直前において「できる」から「全くできない」までの5段階評定尺度で治療の完遂程度に関する回答を求め,得られた結果について比較検討を行った.本調査への協力は任意とし,90名から回答を得た.臨床実習終了時の状態については,設定した項目のほとんどで「ある程度できた」「ほとんどできなかった」の割合が過半数を占めており,抜歯,根管治療,地域包括ケアシステムの体験は25%以上が「全くできなかった」と回答していた.臨床研修修了時では同じ14項目について「ほとんどできない」以下の割合は大きく減少していた.

 以上のことから,程度には差がみられるものの,研修歯科医の多くは臨床実習で歯学教育モデル・コア・カリキュラムに記載されている処置を自験しており,臨床研修を通じて臨床能力を向上させたことが示された.今回の結果は今後当院研修プログラムを充実させるための貴重な示唆になると考えられた.

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