口腔衛生学会雑誌
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北海道木古内町における幼児の齲蝕有病状況の推移
本多 丘人兼平 孝竹原 順次谷 宏
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2000 年 50 巻 5 号 p. 758-764

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抄録
われわれは1979年から20年間,北海道木古内町の就学前幼児の歯科健診に従事してきた。歯科健診では,歯の診査に加えて歯科保健指導とフッ化物の歯面塗布も行っている。本研究では, 1979〜1999年までの木古内町における幼児の齲蝕有病状況の推移を分析した。得られた結果は以下のとおりである。1)2〜5歳児の齲蝕有病者率は,この20年間で漸次減少した。2)乳臼歯の重度齲歯所有者率は,処置歯所有者率の増加に伴い,この20年間で減少した。3)この20年間の幼児へのフッ化物歯面塗布や歯科保健指導の効果についてははっきりしないものの,齲蝕の減少や重症化の抑制に寄与したことが示唆された。木古内町幼児の歯科保健の増進のためには,妊婦や幼児の祖父母への歯科保健指導の充実など,地域特性を考慮した新しいプログラムの導入が必要であることが示唆された。
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© 2000 一般社団法人 口腔衛生学会
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