2000 年 50 巻 5 号 p. 811-817
特別養護老人ホーム入所者50名にCPI,BOP,OKI,GL Lactobacilliのコロニー数,Mutans streotococciのコロニー数,Candidaのコロニー数について歯科医師が調査を行った後,月1回,3ヵ月間の口腔のケアを歯科衛生士が実施した。口腔のケアのうち,歯の清掃を行う,舌の清掃を行う,歯の清掃指導を行う,舌の清掃指導を行うの4種類の実施回数と各指標の改善状況との関係を検討した。その結果,1.Gingival Indexの改善については,危険率5%で歯の清掃指導の回数がオッズ比5.94で有意であった。2.Candidaのコロニー数の減少については,危険率5%で舌の清掃の回数がオッズ比4.98で有意であった。以上より,月1回,3ヵ月間の口腔のケアでは歯の清掃指導は歯肉の状態の改善に,舌の清掃はCandidaのコロニー数の改善に効果的であるといえる。