2001 年 51 巻 5 号 p. 828-833
歯の切削に件って発生する飛散粉塵には種々の口腔内細菌が付着している可能性があり,歯科医療従事者への細菌曝露の原因となり,歯科診療室汚染につながる。そのため,特に発生源での切削粉塵の除去対策が重要である。本研究では,歯の切削に件う飛散粉塵濃度を測定した結果1〜2μmの粒度のものが最も多く,次いで0.5〜1,0.3〜0.5, 2〜5, 5μm以上の順であった。本研究で使用した口腔外バキュームでは,0.3μm以上の粉塵粒子の80%程度を除去可能であり,歯の切削時における飛散粉塵の除去に有効であることが示された。また,口腔外バキュームの吸引口の設置位置,方向による除塵効果を3条件について比較検討し,切削部位の上方5cmの位置に縦方向に設置した条件において最も除塵効果が高いことを確認した。