口腔衛生学会雑誌
Online ISSN : 2189-7379
Print ISSN : 0023-2831
ISSN-L : 0023-2831
原著
富山県歯科医師会が14年間行った大規模事業所における歯科保健活動の成果
中道 勇谷川 文紹水越 弘原田 修成池田 寿人得能 昭夫立浪 徹斎藤 進原田 昭博清田 築富山 悟
著者情報
ジャーナル フリー

2003 年 53 巻 3 号 p. 200-210

詳細
抄録
富山県歯科医師会成人・産業歯科保健部では,昭和63年に会員の約7割で構成する「事業所健診協力医制度」を発足させ,歯科健診と歯科保健指導を通じて,事業所における口腔保健の向上と健康管理を推進することを目的として,歯科保健活動を本格的に行ってきた.14年間継続的に歯科保健活動を実施してきた大規模事業所における歯科保健行動および口腔保健状況などの継時的推移について検討を加えたところ,以下の結果が得られた.1.歯科保健活動の長期実施事業所では,1日の刷掃回数2回以上,1回の刷掃時間3分以上行う者の割合が増加するなど,14年間に歯科保健行動の変容がみられた.2.1人平均現在歯数,歯周疾患の処置の必要度は変わらないものの,1人平均未処置歯数と喪失歯数が減少し,1人平均処置歯数が増加するなど,口腔内状況が改善した.3.歯科医療費や受療件数は,歯科保健活動を実施すると一時的に増加するものの,長期的には医療費全体に占める歯科医療費の割合は4〜6%程度減少した.以上のことから,事業所における歯科保健活動を継続的に実施することによって,歯科保健行動や口腔保健状況が改善されることが示唆され,歯科医療費の節約ができることが推測された.
著者関連情報
© 2003 一般社団法人 口腔衛生学会
前の記事 次の記事
feedback
Top