口腔衛生学会雑誌
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臨床研修開始と終了時における研修歯科医のデンタルフロスに関する認識・態度と行動
中村 文彦田澤 明子外山 敦史森田 一三加藤 一夫中垣 晴男
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2011 年 61 巻 1 号 p. 65-69

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抄録

臨床研修歯科医についてデンタルフロスに関する認識・態度と行動を研修開始時と終了時に調査した.2009年度A大学歯学部附属病院臨床研修歯科医108名を対象として,研修開始時および終了時に自記式の質問票による調査を行った.質問内容はデンタルフロスを患者に勧める頻度,デンタルフロスの認識・態度(手軽さ,使用時の痛みの大きさ,値段,う蝕,歯周病,口臭予防効果,普及の必要性),および臨床研修歯科医自身のデンタルフロスの使用状況についてである.勧める頻度,使用頻度,デンタルフロスに関する認識・態度について,開始時,終了時における回答の違いを周辺等質性検定で分析を行った.その結果,研修開始時と終了時でデンタルフロスの手軽さに関する認識,普及の必要性に関する認識および研修医自身の使用頻度については有意に増加したが,勧める頻度に関しては有意な差は認められなかった.以上から今後歯科臨床研修制度の内容の充実のためにも,臨床研修の中でデンタルフロスの使用の指導方法そのものを教育する必要があると結論される.

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© 2011 一般社団法人 口腔衛生学会
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