2015 年 65 巻 4 号 p. 339-347
口腔保健行動に関する患者の心理・行動の変化を評価するために,本行動に対するローカスオブコントロール尺度(LOCOH)を開発し,その信頼性・妥当性を明らかにした.38項目からなる尺度原案を作成し,学生被験者計185名を対象に調査を実施した.項目分析により16項目からなるLOCOHを作成し因子分析を行った結果,「口腔保健行動に対する内的因子」,「口腔保健行動に対する外的因子」の2因子が抽出された.LOCOHは一般的ローカスオブコントロール尺度と有意な相関が認められたことからその妥当性が示された.Cronbach's αは,0.77〜 0.83であり十分な内的整合性が得られたことから,尺度の信頼性が示された.LOCOH総得点,口腔保健行動に対する内的因子得点および外的因子得点のすべてにおいて,口腔保健行動に対する自己効力感尺度と有意な相関が認められた.以上のことからLOCOHは口腔保健行動の予測や改善に利用できる有用な尺度であることが示唆された.