1988 年 38 巻 2 号 p. 223-228
中国広東省広州と莞城鎮における水道水フッ化物添加, 沈彦民; 広州の芳村地区における18年間の水道水フッ化物添加の結果, DMFTおよび増加傾向にあったdftが著明に減少した。しかし, 一時期, 歯牙フッ素症問題が発生した。この問題はフッ化物の過剰添加により生じたものである。
莞城鎮における11年間, 0.6ppmの水道水フッ化物添加では, 歯牙フッ素症問題は発生しなかった。
結論として, 芳村と莞城鎮では自然環境におけるフッ素濃度が低く, 水道水フッ化物添加は経済的であり, 効果的であった。また, 水道水に適正量のフッ化物を正確に添加しなければならないこと, およびこの正確性を保持しうることを体験した。