口腔衛生学会雑誌
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齲蝕罹患状態および歯口清掃状態を評価するための簡易酵素測定キットAPI ZYM®の検討
三浦 宏子, 上田 五男, 磯貝 恵美子, 磯貝 浩, 脇坂 仁美, 井藤 信義
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1989 年 39 巻 3 号 p. 300-306

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抄録
歯科学生40名の混合全唾液での19種の酵素活性をAPI ZYM (Montalieu Co. France) を用いて測定し, 唾液の酵素活性, 齲蝕罹患状況, 口腔内清掃状況, および唾液中の細菌数といった4因子間の関連性をみた。その結果, 高齲蝕罹患群は, 低齲蝕罹患群と比較してalkaline phosphatase, leueine aminopeptidase, β-galactosidase, α-glucosidase活性が有意に高い数値を示した。高齲蝕罹患群は低齲蝕罹患群と比較して, 唾液中の総嫌気性菌数およびS. mutans数が有意に高かった。
口腔清掃良好群 (0≦Debris Index≦1.2) は, 口腔清掃普通群 (1.2<Debris Index≦3.6) と比較して, 有意に低いalkaline phosphatase, leucin aminopeptidase, β-galactosidase, α-glucosidase活性を示した。口腔清掃普通群における総嫌気性菌数, 総レンサ球菌数, S. salivarius数, S. mitior数はいずれも口腔清掃良好群と比較して有意に高い数値を示し, 上記の4種の酵素活性と有意に相関した。また, S. mutans数はleucine aminopeptidase活性およびβ-glucosidase活性と有意に相関した。
以上の結果より, 唾液の酵素活性の測定は口腔内齲蝕罹患状況や口腔清掃状況を評価するうえで有効であることが示唆された。また, 本法は極めて簡便であるため, チェアーサイドでの応用も期待できるものと思われる。
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