口腔衛生学会雑誌
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台湾7歳児の齲蝕有病に関わる要因の分析
山口 佳子山下 喜久白浜 立二十亀 輝宮崎 秀夫竹原 直道
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1991 年 41 巻 5 号 p. 637-642

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抄録

台湾における齲蝕有病に関わる要因を明らかにするために, 台湾中部員林市の7歳の児童112名を対象として齲蝕罹患状況の診査及び, その保護者を対象として生活習慣についての質問紙法調査を行い次の結果を得た。1) t検定を用いた解析の結果, 歯磨きを低年齢から開始した児童ほど, また間食の頻度が少ない児童ほど齲蝕が有意に少なかった。また, 保護者の歯科疾患に対する認識が高い児童ほど有意に齲蝕が少なかった。2) 数量化理論第I類を用いた解析の結果, 6項目の重相関係数は0.55 (p<0.01) であり, 保護者の歯科疾患に対する認識が児童の齲蝕の多寡に関与しており, 保護者の歯科疾患に対する認識が高い児童ほど有意に齲蝕が少なかった。また, 歯磨きを低年齢から開始した児童ほど齲蝕が有意に少なかった。以上から, 母親の歯科保健に対する意識が児童の年齢が低いときから確立されていることの重要性が示唆された。

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