抄録
選択的セロトニン再取り込み阻害剤(selective serotonin reuptake inhibitors; SSRI)の一つであるパロキセチンの服用により胎児での先天異常や発達障害のリスクが高まるという報告がなされたが,毒性発現機構などについては不明である。我々は,SSRIの生殖発生毒性を明らかにし,そのメカニズムを解明することを目的に,マウス胚性幹細胞(ES細胞)を用いたEmbryonic stem cell test(EST法)にて,二種類のSSRI(フルオキセチン,パロキセチン)の安全性評価を行った。その結果,フルオキセチン,パロキセチン共に強毒性との評価が得られた。また,フルオキセチン,パロキセチンは,それぞれ各組織マーカー遺伝子の発現に影響を与えていたことから,胎児の各組織細胞分化に影響を及ぼし,胎児の発生・発達に影響を与える可能性が示唆された。