日本小児臨床薬理学会雑誌
Online ISSN : 2759-9256
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小児科領域の調剤実務と医薬品適正使用に向けた薬剤師の活動
小村 誠石川 洋一小高 賢一
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2010 年 23 巻 1 号 p. 83-86

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抄録
小児科領域の調剤は全体の6~7割が散薬秤量などによる計量調剤であり,また,小児に適した剤形が少ないため,錠剤の粉砕や脱カプセル,市販製剤の濃度を薄めた希釈散(倍散)を予製して用いることも多い。注射薬の混合調製では,年齢や体重による細かな投与量の計量が要求されるため,注射薬の製品単位ではなく,常にシリンジによりmL単位で計量したものを混合調製する必要がある。また,針刺し回数が多くならないよう,注射筒のみを交換できる補助器具を利用し,コアリングや針刺し事故を防止するなどの対策を取っている。一方,厚生労働科学研究における調査の結果,剤形変更している医薬品が1,666件確認され,日常的に剤形変更されていることが明らかとなっている。患者への保管方法の説明などの剤形変更後の対応については医療施設と保険薬局で差があり,全体的に保険薬局の方が剤形変更後の対応を行っていることが分かった。剤形変更可否の判断根拠については、錠剤・カプセル剤粉砕ハンドブック等の簡易な成書が多く利用されている一方で,インタビューフォームの記載内容は,剤形変更する際の情報として十分な情報量が収載されているとはいえなかった。小児科領域で必要な知識・技術は多種多様であり,小児薬物療法認定薬剤師の制度化など,専門的な知識・技術を習得した薬剤師の登場が望まれる。
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© 2010 日本小児臨床薬理学会
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