日本小児臨床薬理学会雑誌
Online ISSN : 2759-9256
Print ISSN : 1342-6753
当院アレルギー科初診患者のステロイド外用薬に対する意識と知識
河口 恵美吉田 幸一森川 和彦大村 葉松下 祥子佐々木 真利古川 真弓三浦 大赤澤 晃
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2016 年 29 巻 1 号 p. 45-50

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抄録
【背景・目的】小児アトピー性皮膚炎(以下,AD)治療においてステロイド外用薬は薬物療法の中心的薬剤であるが,AD患者の保護者が使用に関して不安を抱えていることや,副作用について正しく理解していないことが原因で治療が奏功しないという報告が散見される。今回,アレルギー専門外来を受診した初診患者の保護者のステロイド外用薬に対するイメージ,ステロイド外用薬の副作用の理解度,自己中断歴の頻度とその理由を調査した。【方法・対象】2014年8月1日~2015年7月31日に東京都立小児総合医療センターのアレルギー科を受診した初診患者の問診票を後方視的に調査し,自由記載欄をテキスト分析した。【結果】全初診患者は527人のうち,問診票がない145人,テキスト欄に記載がない171人,ADの診断の既往も自己申告での湿疹もない22人を除外し,189人(年齢中央値3.4歳(四分位範囲1.6-6.4歳),男児60.3%)が解析対象となった。ステロイド外用薬のイメージについて,頻度が30%以上の回答としては,「効果がある」,「使い方が重要」,「使わないほうがよい」があり,少数ではあるが「依存する」,「根本的な治療ではない」,「使いたくない」,「蓄積する」といった回答もみられた。ステロイド外用薬の副作用について,「皮膚の菲薄化」や「多毛」など正しい副作用が挙げられる一方で,適切な使用方法では基本的にはみられない副作用の回答もみられ,54.5%の人が何らかの間違った副作用をあげていた。 ステロイド外用薬を自己中断した事があるのは45.5%であり,「全身の副作用」を挙げた人と,「根本的な治療ではない」と回答した人に自己中断歴が多かった。【結論】ステロイド外用薬に対して,多様なイメージを持ち,副作用について誤解していた人が半数以上にみられた。ステロイド外用療法の実施には,正しい疾患と薬の知識の指導のみならず,多職種による適切な指導を進めていくことが重要である。
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© 2016 日本小児臨床薬理学会
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