日本小児臨床薬理学会雑誌
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フェノバルビタールを散剤からエリキシル剤に変更後,血中濃度が高値となった1例
常盤 智穂子, 中島 勝
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2018 年 31 巻 1 号 p. 50-53

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抄録
重症新生児仮死による低酸素性虚血脳症の2歳患児。フェノバルビタール(以下PB)散を十二指腸チューブより投与。PB血中濃度は14μg/mL前後にコントロールされていた。十二指腸チューブが詰まりやすくなったため,散剤から同成分量のエリキシルに変更。変更5日後PB血中濃度が54.5μg/mLの高値となった。この症例を報告する。また,原因探求のため,投与剤形によるPB投与量と,血中濃度への影響を調べるために,当院のPB散とPBエリキシル内服患者の定常状態におけるPB血中濃度を調査した。PBによる治療を受けた患者は散剤12名,エリキシル11名。散剤群は,年齢2.3±3.4歳,体重8.2±6.4kg,PB投与量31.0±13.7㎎/日,体重1㎏当たりのPB投与量4.8±2.4㎎/㎏/日,血中濃度14.6±5.9μg/mL,C/D比(血中濃度/体重1㎏当たりのPB1日投与量)3.6±2.1。エリキシル群は,年齢3.4±3.7歳,体重11.4±9.0kg,PB投与量27.5±13.1㎎/日,体重1㎏当たりのPB投与量3.1±1.4㎎/㎏/日,血中濃度16.2±6.0μg/mL,C/D比5.7±2.6であった。年齢,体重,PB投与量,血中濃度は有意差がなかった。体重1㎏当たりの投与量は,散剤群で有意に大きく(P=0.045),C/D比は散剤群で有意に小さい(P=0.044)という結果であった。散剤群では,調剤ロス,溶解作業のロス,チューブに付着しやすいことが原因として推察された。PBなどの治療域が狭く薬物血中濃度モニタリング(以下,TDM)の必要な薬剤の内服において,剤形や投与方法を変更した場合は,血中濃度測定を密に行い,適正な投与量であることを確認する必要がある。
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