抄録
2016年4月に厚生労働省より「薬剤耐性(Antimicrobial resistance:以下AMR)対策アクションプラン」1),「抗微生物薬適正使用の手引き第一版」2)が発表された。今回,主に薬剤師を対象として東京都町田地域で講演会「小児処方薬から始める抗菌薬の適正使用推進」を開催し,地域における現在の処方状況と薬剤師の抗菌薬に対する現状認識,「AMR対策アクションプラン」と「抗微生物薬適正使用の手引き第一版」に対する情報の理解度を調査した。また講演会の聴講による意識変容についてのアンケート調査も行った。結果,保険薬局・病院薬剤師など145名から回答が得られた。処方中に不要な抗菌薬記載があると認識している薬局薬剤師は81%,病院薬剤師は63%であったが,実際に疑義照会する例は多くなかった。「AMR対策アクションプラン」「抗微生物薬適正使用の手引き第一版」の「名称も内容も知っている」の回答は保険薬局・病院とともに約20%以下であり,2年弱経過したが,まだ十分認識されていないことがわかった。また,聴講後には「感染症,抗菌薬処方を意識するようになった」という回答を全員から得られ,意識変化が認められた。今後,講演会開催などを通じて,抗菌薬の適正使用推進の啓発を続けていく必要性がある。