日本小児臨床薬理学会雑誌
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Print ISSN : 1342-6753
味覚試験による小児用抗菌薬の院内採用方法の検討
十川 友那篠永 浩原田 典和加地 努向井 栄治辻 慶紀古田島 希江大橋 育子島内 泰宏佐々木 剛
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2019 年 32 巻 1 号 p. 97-102

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抄録
小児感染症で繁用されるドライシロップ(以下DS)や細粒 の抗菌剤は,苦味などを理由とする拒薬がしばしば発生する。今回クラリスロマイシンDS(以下CAM-DS)とセフジトレンピボキシル細粒(以下CDTR-PI細粒)を先発品から後発品へ切り替える際に院内で味覚試験を行い,採用薬選定の根拠としたのでその概要を報告する。三豊総合病院(以下,当院)に勤務する小児科医師5名,薬剤師15名を被験者として先発品および今回対象とした後発品各5社の製剤をそれぞれ0.5gずつ内服し,『甘味』,『苦味』,『溶けやすさ』,『後味』,『飲みやすさ』を5段階で評価した。『飲みやすさ』を目的変数とし,『甘味』,『苦味』,『溶けやすさ』,『後味』を説明変数として重回帰分析を行い,相関の強さを標準偏回帰係数として算出しp<0.05を有意とした。各製剤の飲みやすさの平均値にて採用品を検討した。今回の味覚試験の結果より,『飲みやすさ』に最も影響する要因はCAM-DSでは『苦味』,CDTR-PI細粒では『後味』であった。両剤とも甘味の関与は小さく,甘味剤の添加のみでは飲みやすさは向上しないと考えられた。当院ではすでに後発品採用時に各製剤の先発品との同等性,製剤的有意性を考慮しているが,これまで選考者の主観に頼っていた「味」についても客観的基準として加える事が出来た。成人と小児では味覚に差があるとされる事から小児患者での評価についても今後行う。
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© 2019 日本小児臨床薬理学会
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