抄録
目的:薬の嚥下性や嗜好性は服薬アドヒアランスに大きく影響する。スルファメトキサゾール・トリメトプリムの錠剤は直径約11mm,厚さ約5mmと大きく,顆粒剤は主薬による苦味を感じることがあり,両剤形ともに服用性が悪いとされる。そこで,薬剤師を対象に服用性に関する実態把握を目的としたアンケート調査を行った。結果:33施設107名から回答が得られた。薬剤管理指導の主な対象患者は,小児が48名,成人が34名,高齢者が25名であった。錠剤の「服用性」では,小児,成人,高齢者においてそれぞれ97.9%,91.2%,91.7%が服用しにくいと回答した。「服用しにくい因子」及び「最も改善が必要と思われるもの」としては,いずれのカテゴリーでも『大きさ』が最も多かった。顆粒剤の「服用性」では,小児,成人,高齢者においてそれぞれ77.1%,62.5%,30.0%が服用しにくいと回答した。「服用しにくい因子」としては小児で『ざらつき』,成人及び高齢者で『嵩高い』が最も多かった。「服用しやすくするための工夫」は,錠剤ではいずれのカテゴリーでも『砕く』が最も多く,顆粒剤では小児で『単シロップ』,成人及び高齢者で『服用補助ゼリー』が最も多かった。考察:錠剤に関しては,いずれのカテゴリーでも『大きさ』が服用しにくい因子となっており,小型化や口腔内崩壊錠等の新剤形が必要であると考えられた。顆粒剤に関しては,小児においては『苦味』よりも『ざらつき』の方が服用しにくい因子となっており,味だけでなく服用感も改善した新剤形が必要であると考えられた。今後,小児,成人及び高齢者それぞれに対して,服用性を改善したより適正な製剤開発が望まれる。