日本小児臨床薬理学会雑誌
Online ISSN : 2759-9256
Print ISSN : 1342-6753
フェノバルビタールの剤形変更により血中フェノバルビタール濃度が著しく変動した1例
伊藤 綾花渡邊 亜矢子阿部 久留美中田 麻里永田 卓也柏原 由佳花岡 健太郎水野 克己田中 克巳佐々木 忠徳
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2019 年 32 巻 1 号 p. 120-124

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抄録
フェノバルビタール(以下,PB)投与中の患児において,剤形変更により血中濃度が著しく変動した症例を経験したので報告する。低出生体重,難治性てんかんの女児に対し,生後2か月より経管チューブからPB散24mg(8mg/kg)/日を投与していた。血中濃度(トラフ値)が11.9µg/mLと低値であり,同用量のエリキシル剤へ変更したところ,血中濃度は28.2µg/mLまで上昇した。再度てんかん発作増悪のため,月齢6時,PB大量療法を開始し,68mg(16mg/kg)/日に増量した。月齢9時,誤嚥性肺炎が疑われ,エリキシル剤68mg/日から同用量の注射剤へ変更したところ,血中濃度は52µg/mLまで低下し再度同用量のエリキシル剤へ変更後,血中濃度は70µg/mLと上昇を認めた。エリキシル剤は,散剤と比較し高い血中濃度で推移し,注射剤と比較し血中濃度が高いと言えないものの,高くなることもあった。エリキシル剤から注射剤へ変更し,血中濃度が著しく低下したという報告はなく,その機序は不明である。今後,PBの剤形変更時,何らかの相互作用や代謝酵素による血中濃度変動の可能性を踏まえ,注視する必要がある。
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© 2019 日本小児臨床薬理学会
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