抄録
[対象と方法]赤ちゃん煎餅またはラムネ菓子を食べることができることを条件に,レボチロキシンナトリウムを散剤から錠剤に切り替えた3歳未満の13例の先天性甲状腺機能低下症児について,前後の甲状腺機能と家族の感想を診療録から後方視的に検討した.[結果]全例で安全に切り替えができていた.検討できた9例で変更前後の甲状腺機能に有意な変動を認めなかった.また錠剤の有効成分含有量を補間するために交互に不均等投与した患者と毎日均等投与した患者のTSH,FT4値に有意な差を認めなかった.家族の感想もおおむね好意的であった.[考察]3歳未満の児で錠剤の直接内服が可能であったのは,錠剤をなめたりかんだりしても味が悪くないこと,有効成分含有量が少ない錠剤で用量の調整ができたことなどの条件がそろっていたためと考えられる.[結論]赤ちゃん煎餅やラムネ菓子を食べていれば11か月から錠剤を直接内服することが期待できる.