抄録
医療の高度化により小児在宅医療へのニーズが増加している.しかし,小児在宅医療の保険薬局(以下,薬局)での受け入れ状況には地域偏在性があり,三重県では成人に比べて普及していない.本研究では,三重県下の薬局における小児在宅医療の受け入れの現状を把握するために,薬局を対象にアンケート調査を実施した.その結果,薬局全体の91.9%で小児在宅医療の受け入れが困難と感じていた.小児在宅医療の経験のある薬局では,経験のない薬局と比較して退院時カンファレンスへ積極的に参加する施設が有意に多く,カンファレンスで提供される患児の疾患の情報が有益であるとの回答であった.小児在宅医療の経験がある薬局の95%において,成人と小児の在宅医療に相違点があると感じており,患児の疾患が特殊であるとの回答が52.3%を占めた.今後の小児在宅医療の推進には,学習機会の提供や,病院薬剤師との薬薬連携の充実を図ることが重要であると考えられた.