抄録
抗がん剤や希少疾病用薬などを中心とした高額医薬品の使用拡大は小児領域でも例外ではなく,とくに病院では薬剤費の急激な上昇を招いており経営を圧迫している.また,令和6年4月の改正医療法施行によって医師の時間外労働の上限規制が適用されることとなり,医師のタスク・シフト/シェアが急務となっている.この2つの大きな運営上の課題に対する,横浜市立大学附属病院薬剤部の考え方や取組事例を報告する.薬剤費については,後発医薬品・バイオシミラー(BS)の使用促進を行っており,後発医薬品数量シェア率は90%以上を維持している.BSの導入も積極的に進めており,薬剤費の抑制効果が大きい抗がん剤ではリツキシマブBS,ベバシズマブBS,トラスツズマブBSの3剤で年間1億円を抑制できている.医師のタスク・シフト/シェアでは,病院薬剤師の限られた人的リソースを有効活用するために非薬剤師の導入を拡大することで業務効率化を進めている.さらに薬剤師が院内採用薬をマネジメントすることは,非薬剤師の業務範囲を広げることにもつながる.