抄録
小児の胸水に対し,ソマトスタチンアナログ製剤であるオクトレオチドの有用性がこれまでに報告されている.今回,当センターにおける胸水に対するオクトレオチドの使用状況,胸水量の変化および有害事象について調査した.対象は33症例で,オクトレオチドの初回投与量,最大投与量,投与期間の中央値は,0.5μg/kg/h,1.0μg/kg/h,9日であった.ドレーン排液量は有意に減少し,小児の胸水に対しオクトレオチドによる治療の可能性を見出すことができた.一方で,肝酵素の上昇を認めたことから肝機能の定期的な評価が必要であると考えられた.また,オクトレオチドは新生児や乳児において壊死性腸炎が報告されているが,本研究では消化器疾患を有する幼児でも消化管出血を認めた.新生児や乳児に限らず小児では,既往歴を踏まえて投与の是非を慎重に検討し,投与時は消化器症状を観察する必要があると考えられた.