抄録
【目的】デクスメデトミジン塩酸塩(DEX)は新生児へ鎮静目的で使用されているが,用法用量の設定はない.本研究では小児医療情報データベース10施設での新生児におけるDEXの処方実態を調査し,乳児や他の小児期と比較検討した.【方法】2016年度から2020年度までの5年間の15歳未満の小児9,093名を対象とした.新生児は928名であった.新生児でのDEXの最大投与速度,連続処方日数,有害事象として中枢神経系の離脱症状について検討した.【結果】新生児のDEXの最大投与速度の中央値は2.4(μg/h)で,連続処方日数は1,2日の処方が29.9%であった.一方で,8日以上の長期的な連続処方を受けた新生児は37.9%であった.DEX処方終了時の中枢神経系の離脱症状は,新生児34名(3.7%),乳児49名(1.6%)で,新生児・乳児ともに睡眠障害が28名であった.【考察】新生児においてDEXが鎮静に使用されている処方実態が明らかとなった.早産児・新生児における投与速度,長期投与の際の離脱症状の出現についての注意が必要であることが判明した.【結論】今後,新生児のDEX使用時の投与量と安全性に関する検討が求められる.