抄録
ピボキシル基含有抗菌薬(pivalate-conjugated antibi- otics:PCAB)による小児等の重篤な低カルニチン血症と低血糖に対する適正使用情報が発出され,認知されつつあるなかで,高知医療センター(当院)におけるカルニチン製剤投与患者に対する適正使用の再周知目的で抗菌薬使用状況の調査を行った.2005年3月から2022年6月の期間をPCABに関する適正使用情報が発出される前後に分けて,当院の入院・外来患者でカルニチン製剤を内服中の15歳未満の小児患者を対象とし,何らかの理由で抗菌薬の処方を受けた患者数,抗菌薬の種類,年度ごとの処方状況,処方診療科を調査した.調査期間を通じてカルニチン製剤を服用している患者は40名であり,そのうち抗菌薬を処方された患者は27名であった.そのうち PCABが処方された患者は11名であった.適正使用情報発出前後において,調査対象患者に対する処方件数は減少しておらず,院内における適正使用が周知されていないことが明らかとなった.