抄録
服薬アドヒアランスは疾病治癒のために重要であるが,小児におけるアドヒアランスにはばらつきがあり,全体の1/3は比較的短期間の治療を完了することができていないとされている.薬を嫌がる原因は味が最も多いと報告されているが,患児がどの服用方法を嫌がるのかはわかっていない.そこで6歳未満の小児が服用方法ごとに,どの服用方法を好むか・嫌がるかとその理由,服薬を補助する保護者が薬剤師に求める情報を明らかにすることを目的に,6歳未満で内服薬の処方がある来局患者の保護者を対象に質問紙調査を行った.質問紙には 113人が回答し,106人の集団(年齢中央値2.0歳[四分位範囲1.0-3.0],男児53.3%)が解析対象となった.一番好む服用方法は「粉薬を何かに溶かす」が47.1%,一番嫌がる服用方法は「粉薬そのまま」が45.5%で最も多く,そのどちらの服用方法も,全く嫌がらない患者を除き,嫌がる一番の原因は味であった.また,保護者が薬剤師に求める情報は「薬の飲み方」が43.4%で一番多かった.このことから,薬剤師が保護者に対して,「味」を感じにくくする工夫や小児の味覚の特性を生かした飲み方を指導することでアドヒアランスが向上するという仮説が創出された.今後仮説検証のためのさらなる研究が必要であると考える.