抄録
【目的】免疫グロブリン静注(intravenous immunoglobulin:IVIG)療法不応である川崎病に,プレドニゾロン(prednisolone:PSL)とシクロスポリンA(cyclosporineA:CsA)を併用する治療法についての効果を検討する.【方法】北九州市立八幡病院小児総合医療センター(当センター)では,川崎病診断例にIVIGとアスピリン内服を行い(1stline),不応例に対し2回目のIVIGに加えPSLとCsAを併用している(Yahata KD Protocol).2020年3月から2023年5月に当センターで川崎病と診断し治療した15歳未満の197症例を後方視的に検討した.【結果】1stline不応例は54例(27.4%)であった.急性期に冠動脈病変を認めた症例は12例(6.1%)で,冠動脈後遺症を残した症例は小瘤1例(0.5%)であった.PSLとCsAを併用投与した54例のCsA血中濃度(トラフ値)の中央値は71.6ng/mLで,血中濃度が200ng/mLを超えた症例はなかった.【結論】Yahata KD Protocolは治療選択を画一的に行うことができる.本研究期間中の治療成績,冠動脈予後に問題はなかった.今後さらなる症例数の集積や比較検証試験を行うことが望ましい.