抄録
臨床研究を始める際,初めて取り組むのは観察研究であることがほとんどである.しかし,後方視的観察研究では入手できるデータに限りがある.リアルワールドデータを用いた研究では大きなサンプル数を確保することが可能であり,臨床疑問と研究デザインがうまくマッチすると質のよい研究結果を導くことができる.データベース研究は大きなサンプル数を確保できる反面,交絡への対処が必須であり,傾向スコア解析などの統計解析手法を用いて交絡の調整を行うことも多い.比較研究以外に,データベース研究では臨床データを記述する「記述研究」が威力を発揮することもある.同様の手法は診療録を用いた研究にも適用可能である.本稿では診療録やDPCデータベースを用いた後方視的な臨床研究について,筆者の経験を交えながら概説する.