抄録
小児の薬物治療において,継続可能な服用方法の確立は重要である.服用方法としては,服薬補助ゼリーなどを活用する方法が一般的であるが,乳児の投与においては,薬剤と少量の水を混ぜたペーストを上顎等にすり付け,水などで流し込む「ペースト法」という方法がある.この方法は,薬剤を少量の水で団子状にし,味を感じにくくする利点があり小児の漢方薬服用において有用であると考えられる.一方で,この方法は水分量の調整が難しい課題も抱えている.本研究では,小児で処方される8 種類の漢方薬を対象に,各薬剤1.0 gに0.1 mLずつ精製水を加え,ペースト状にするための至適水分量について検討した.その結果, 7種類の漢方薬で0.2~0.4 mLの範囲で適切なペーストが調整できた.至適水分量に応じた服薬指導は,アドヒアランスの向上に寄与するものと考えられるため,今後は,さらに多くの検討を重ね,情報を蓄積していく必要がある.