2026 年 36 巻 Special_Issue 号 p. s34-s43
現在の日本では,河川や飲料水におけるPFAS汚染,土壌への吸着および地下水汚染とそれに伴うリスクに注目が集まっている。一方で,野生生物における汚染状況については依然として知見が乏しい。PFASの生物影響を考慮すれば,高次栄養段階の生物を対象としたバイオモニタリングは,環境汚染の実態および生態系への影響を把握するうえで極めて重要である。しかしながら,PFASの分析法には依然として技術的課題が残されている。今後は,レガシーおよび新興PFASを含む包括的なモニタリング体制の構築と,高精度かつ高感度な分析手法の導入が求められる。日本においても国際的な協調のもとでモニタリング体制の拡充を図り,多様なPFASに対する包括的な管理戦略を早急に確立する必要がある。