環境化学
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鉱物油による環境汚染時の原因究明調査法の検討
―GC/MSを用いた鉱物油のペンタン抽出成分及び水溶性揮発性成分の分析―
中牟田 啓子福嶋 かおる松原 英隆神野 健二
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2001 年 11 巻 4 号 p. 815-826

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抄録

地表水または地下水が鉱物油により汚染された場合の原因究明法として, 以下の方法を開発した。
(1) 地表水が汚染された場合は, 試料水をペンタン抽出後濃縮しGC/MS分析を行い, 直鎖型脂肪族炭化水素類の比較およびジメチルアントラセンおよびトリメチルアントラセンのピーク面積比の比較により, ガソリン, 灯油, 軽油, 重油の識別が可能であることがわかった。
(2) 地下水汚染の場合は, パージトラップGC/MS分析結果から鉱物油成分中のわずかに水に溶けた成分である芳香族炭化水素類を比較することにより鉱物油の識別が可能であることがわかった。
また, 重油の河川流出事例とガソリン及び重油による地下水汚染事例を示した。

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© 日本環境化学会
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